
今、若者に増えて 話題になっているのが「固定電話恐怖症」という心身症。
酷くなれば、会社を退職する事態になっている様です。
どんな症状なのか、治療法はあるのか、真剣に考えてみたいと思います!
どんな症状が出るの?
その名の通り、固定電話に恐怖を感じる症状です。
固定電話が鳴ると
・震えが止まらなくなる
・息苦しくなって、パニックになる
・冷や汗が出る
など、症状は、様々。
酷くなると、行こうという意思はあるのに、出勤前、靴を履いて、会社に向かおうとするものの、怖くなり、吐き気がして、ドアが開けられない…。
そんな状態になります。
携帯でも、アドレスに入っていない電話に恐怖を持つ事も。
通常は、元気な為、周りから理解されない状態です。
せっかく、入社して就職した仕事なのに、仕事が出来ない状態になります。
本人からすれば、相当苦しいでしょうし、「仕事に行かないと」と焦る事で、更に症状が悪化してしまうのも、心身症の特徴です。
現代社会が生み出したもの
この背景には、「固定電話に出る事に慣れていない」ということがあります。
小さい頃から、「家の電話には出なくて良い」と言われて育った世代でもあります。
ナンバーディスプレイなどの機能が備わっていても、「用がある人は、携帯に掛けて来るから」という親との決まり事です。
確かに、携帯が普及してから、家の固定電話を取って、知り合いだったケースは、極わずかでした。
最も多いのは、勧誘の電話です。
そして、現代では、詐欺の電話も多く、私の親も60代、70代ですが、固定電話を解約して、携帯だけにする事にしました。
それが、一番、安全だったからです。
知り合いの人は、登録しているので、その他の電話には出ない!
というのが、基本です。
番号が変わった人で、用事があれば、メールが先に来ますし、携帯は、外出していても繋がる為、便利だからです。
そんな現代が生み出した現状に、いざ、「固定電話を取れ」と言われても、困惑してしまいます。
特に会社は、誰から掛かってくるか、どんな内容なのか、全く検討もつかず、恐怖以外の何ものでもないのです。
顔が見えないからこそ
会社の電話となると、取引先だけではなく、お客さんからのクレーム対応などもありますよね。
そのクレーム対応こそが、一番の恐怖な様です。
穏やかな人もいれば、怒り任せにどなりつける人もいます。
顔が見えれば、どんな人が、どんな顔でクレームを言ってるのかも分かりますが、顔が見えないと、状況が全く分かりません。
ただ単に、口の悪い人かもしれないし、声が怖いだけかもしれません。
それが分からないからこそ、ただただ、怒鳴られてるという恐怖に陥ります。
最近、やたらと増えた電話が繋がる前の「お客様対応の向上の為、会話を録音させて頂きます」という前置き。
私個人の感じた事ですが、「録音してるから、暴言はやめてください。場合によっては、訴えますよ」と前置きを聞いて感じる事があります。
気のせいかもしれませんが、「録音させていただきます」となると、怒り任せに暴言は、吐けないですよね?
これも、この「固定電話恐怖症」対策なのではないかと思ってたりします。
どんな人がなりやすい?
これは、心身症全般に言える事ですが、とにかく真面目で、使命感のある人です。
固定電話恐怖症にならない人が不真面目という事ではありません。
続けられる人の多くは、上手く、逃げ道を持ってる上級者と言えるでしょう!
固定電話恐怖症の人は、「私の仕事だから、私が何とかしないといけない!出来るハズ」と思って、真面目に取り組んでいた事でしょう。
そして、多少の恐怖心がありながらも、「お客様の為に」「私の仕事だから」と続けて来たのだと思います。
その積み重ねに限界が出て来たのが「固定電話恐怖症」です。
心身症は、急にはなりません。
日々の積み重ねが、自分の容量を超えた時に、知らず知らずのうちに、だんだんと恐怖心が出てきます。
要は、頑張りすぎてしまった結果であると言っても過言ではありません。
まずは、頑張った自分を褒めてください。
固定電話恐怖症になったら?
では、「固定電話恐怖症」になったら、どうしたら良いのでしょうか。
せっかく、就職した会社で、仕事が出来ないとなると、本人は、本当に苦しいものです。
ですから、ここで、どうしたら良いのか、ちょっと、考えてみようと思います。
まずは、早期に病院を受診しましょう!
自分の体の異変は、自分が一番よく分かると思います。
そこで、ちょっとでも「おかしいな」「いつもと違うな」と感じたら、早期に病院を受診する事をオススメします。
重症化してからでは、病院受診に行くのも、一苦労になってしまいます。
早期だと、治るのも早くなりますので、早期に病院の受診をオススメします。
受診する科は「心療内科」です。
精神的な事なので、「精神科」と思うかもしれませんが、きっと、抵抗があると思います。
気軽にに行ける「心療内科」を受診しましょう。
私も、この固定電話恐怖症ではないですが、心身症を患っています。
私の場合は、この、病院受診が遅れた為、かなり重症化してしまいました。
「精神科」に行くと思っていたからです。
精神科にいる人が、悪い訳ではないのですが、私の勝手なイメージで、精神科の受診をしたくない自分がいました。
しかし、病状は、どんどん酷くなるばかり。
最初、家族が、病院に相談に行った程、私は拒んでました。
「精神科じゃなくて、心療内科なんだって。話だけでも聞かせて欲しいって言ってたよ。」
と家族に言われ、体はキツイし、自分でも限界を感じたので、最初は「話してどうなるの?」と思いましたが、あまりの体の辛さに「話だけなら…」とようやく受診したところ、話しをして、薬をもらって、少しづつ、症状は軽くなりました。
ですから、最初は、誰でも、抵抗はあると思います。
でも、若い人もたくさん来てるし、「こんなに多くの人が心疾患に掛かってるの?」と思うくらい多くの人が受診してます。
その数を見るだけでも、「自分だけじゃないんだ」と思えます。
そして、気軽さも感じる事でしょう。
抵抗してた自分が、馬鹿らしくなりました。
もっと、早く受診すれば良かった…とも思いました。
「心療内科」ですから、内科的な事も診てくれるので、受診中に風邪引いた時など、風邪薬なども出してくれますし、胃が痛いとなれば、胃薬だって出してくれます。
診療内科で出される薬との兼ね合いもあるので、他の内科的な症状の相談は、心療内科でした方が楽です。
「心の風邪」だと思って、普通に内科に行く様に、心療内科に行ってみて下さい。
周りの理解が大事
仕事以外、元気ですから、周りからは、理解されにくいのも、心疾患の悪化の原因になります。
「怠けてるだけ」とか「逃げてるだけ」とか、心ない言葉を掛けられたりする事もあるでしょう。
そうなると、「自分は、怠けてる」「自分は逃げてる」と自分を責めてしまいます。
これが、「負の連鎖」の始まりです。
どんどん、落ち込みます。自分を責めます。
これが、一番よくありません。
これが、長引くと今度は、「鬱病」にまで発展してしまいます。
怠けてるわけでも、逃げてるわけでもありません。
心疾患は、脳も関係してくるので、自分では、コントールが効きません。
気持ちでは「こうしたい!」という気持ちがあっても、それが、出来ないのが心疾患です。
それを、処方薬で、コントロールします。
「固定電話恐怖症」であるなら、それを、周りに理解してもらわなければいけません。
これを「自己開示」と言います。
そして、「自分は病気なんだ」という事を自分自身でも、理解して、認めなければいけません。
そして、「いつかは、治るんだ!」と思って治療しなければいけません。
周りにも、自分は「固定電話恐怖症である」という事を伝える方が良いです。
本当に、自分の事を思ってくれる人であれば、理解してくれるハズです。
その事を、「怠けてる」だとか「逃げてるだけ」とか、自分を理解してくれない人は、真剣に、自分を思ってくれている人ではありません。
私も、周りには、伝える様にしてます。
「全く理解して貰えないから深くは考えなくて良いんだけど、実は、私はこんな病気があって、こんな時にこんな症状が出るから、こんな対策をしてるの。聞いてもらてると安心して、大丈夫な場合が多いから話しとくね…」と…。
私には、子どもがいますので、学校や保育園の行事に参加しなければなりません。
厳密には、参加しなくても良いですが、やはり、子どもの事を考えると、参加した方が良いかなという感じです。
幸い、私は、みんなが理解していてくれていれば、意外と大丈夫なのが分かったので、先に周りに言います。
本当に理解している人がいるかは、分かりませんが、言うだけ言って、自分が安心してる感じです。
それで、良いのです。
何でも良いから、参加出来たら、それで良い。
そして、それが、自信に繋がって、症状の改善に繋がっていくので、周りには、どんどん伝えて行きましょう!
会社での対策
上司にだけでも、伝えておくと良いでしょう。
上司がダメなら、仲の良い同僚でも構いません。
要は、いざとなったら、何とかしてくれる人がいると、安心出来れば良いと思います。
自分だけで解決しようと思わない事です。
電話を取って、自分では対応しきれないと思えば、上司に回せば良いです。
その為の上司です。
「すみませんが、わたくしでは、分かり兼ねますので、上の者と代わります」と言って、代わって貰えば良いでしょう。
自分が、電話を取っても、誰かに回せるという安心した状態にあると、意外と対応が出来るかもしれません。
何でも、試してみなければ、分かりませんので、やってみる価値はあります。
それで、上司が文句言うようでしたら、その時にまた、仕事をやっていけるかどうか、考えれば良いと思います。
それを「逃げてる」という人がいたら「逃げて何が悪い!」と思える様に努力すると良いです。
誰だって、自分の危機を感じたら逃げます。
その「逃げてる」という人は、究極な話しですが、その場に猛獣が現れたら、それでも立ち向かって行くのでしょうか?
モチロン、逃げますよね?立ち向かったところで、襲われて餌食になるだけです。
固定電話恐怖症の人にとっては、「危機」なのです。
自分の病状の方が大事です!
仕事は、他にもあります。
でも、自分が健康でなければ、他の仕事も何も出来ません。
症状改善を優先させる必要があります。
いわゆる、それが「逃げるが勝ち」という事です。
例え、逃げても、それで仕事が出来て、固定電話恐怖症を克服したら、それが、これから先、生きていく上でも、一番の自信に繋がる事でしょう!
まとめ
「固定電話恐怖症」を皆さんは、どのように感じますか?
心身症ほど、目に見えない、人に理解されないという、とても苦しい病気です。
「病気って何でも結びつけたがる世の中」という意見もあるのを目にしました。
でも、それは、健康な人だからこそ言える事であって、実際、掛かってみなければ、その人の辛さは分かりません。
それに、いつ、自分も心身症に掛かるか分かりません。掛かって始めて、その辛さに気付くでしょう。
私は、固定電話恐怖症ではありませんが、携帯でも、電話は出ません。
突然掛かって来る状況がダメなのです。
なので、しばらくして、こちらから、掛け直したり、もしくは、「どうかした?」とメールで返す事が多いです。
知らない番号や、フリーダイヤルはモチロン取りません。
何度か掛かって来たら、掛け直しますが…。
フリーダイヤルは、まずネットで調べて、一応電話帳に登録します。
次、掛かって来ても、どこからのフリーダイヤルか分かる様に…。
携帯でも、こんな感じです。
固定電話に恐怖を感じる人がいてもおかしくないでしょう。
職場は、固定電話ありますが、上司が大体、対応するのが基本な職場なので、何とか取れます。
これを、自分だけで…となると、私も電話が取れなくなるでしょう。
もっと、「固定電話恐怖症」になった人の背景や、対策などを周りも一緒に考えてくれる様な職場作りが出来る世の中になって欲しいなと、心から思います。